その次の瞬間だった。
女子の悲鳴が教室中に響き渡った。
それは一瞬のことで、何か起きたのかわからなかった。
いつの間にか佐藤が呻き声をあげて倒れていた。
「い、いてえよっ…」
よほど恭介の蹴りが効いたのだろうか。
お腹を押さえてだんだんと縮こまる佐藤を恭介は冷めた目で見下ろし、その後ろでヨネはただ呆然と立ち尽くしていた。
「何してんだっ、おまえら」
幸い、その後に騒ぎを聞いた伯方先生が駆けつけてきたので、それ以上喧嘩は大きくなることはなかった。
ただ、あれからも腹痛を訴えていた佐藤は病院に送られ、恭介は職員室に呼び出された。
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