「つーか、おまえらが呼び出したんだからなんか奢れよ。
おれチキンバーガーね」
と健二はテーブルに足を乗せて勢いよく腰掛けた。
思わず肩が震える。
「じゃああたし買ってくる」
と澪が立ち上がると、ヨネがそれを止めた。
「買ってこなくていいよ。悪いのはこの人なんだから」
「ああ、なんだって?」
健二の鋭い眼がヨネに向けられた。
そしてヨネも負けじと睨み返した。
二人の迫力に圧倒されながら、澪は恐る恐ると席に戻る。一触即発とは、今この状態のことを言うのだろうか。
「もう奈美に会わないでください」
ヨネは強く言った。
「なんでおまえにそんなこといわれなきゃなんねえんだよ。
部外者に口出される筋合いはねえ」
と健二はあざ笑いながら吐き捨てた。


