「あれ?また君いるの?」
屋上に姿を見せたのはウザい筆頭の海老名。
いらんやつがまた増えた。
「おい。似た者同士だろ。こいつどうにかしろ」
「え、似た者同士って、俺と虎ちゃんが?」
「と、とらちゃんってなんですか!虎太郎です!」
「キャンキャン煩いの、よく似てんだろ」
虎ちゃんって…。
ほんと、海老名は誰とでもすぐ打ち解けるというか距離が近い。
「僕…、すぐにでも海老名先輩の立ち位置奪って見せますから!」
「俺の立ち位置?なにそれ」
「宇佐木先輩の、一番弟子ですよ!」
「おい、なんだそれは」
一番弟子ってなんだ。
弟子なんて取ったつもりはねぇし。
「舎弟じゃないんですか!?」
「今時舎弟って。まぁ、確かに凛はさ、喧嘩っ早いけど別に不良グループを作ってるわけじゃないからね。どんな理想作り上げてんのか知らないけど」