「おそよーだよ、ウサギくん。今何時だと思ってるんだ」

「…ウザい」



あの後、俺は部屋から出ることなく朝を迎え。
気づくと姉ちゃんは仕事に出かけていた。

…姉ちゃん、絶対気にしてるだろうな。
くそ。




「…?どうした?なんか変じゃね?」

「は?なにが」

「なにがって…」



まじまじと俺の顔を観察するように見つめる海老名の視線がうっとおしい。
怪訝に避けながら自分の席に座った。



「心さんと喧嘩でもした?」

「あ?なんでそうなるんだ」



海老名も、なぜかそういう所鋭い。



「普通の喧嘩なら、逆にスッキリした顔してるだろうし。心さんと何かあったら、決まって不機嫌プラス不安そうな顔する」

「別に不安な顔なんかしてねぇ」

「してるよ」



言いたい放題言いやがって。
不機嫌そうな顔はともかく、不安そうなってなんだ。
別に不安なんか……。