「5月の頭に私たち2年生は球技大会があります!」
「…ああ、それがどうした」
日課になった屋上で、キラキラさせた瞳を向けながら大神が言った。
今は昼飯を食っていて、海老名も横で購買で買ったパンを頬張っている。
大神は、イメージ通り弁当を持ってきていて女らしい小さな弁当箱を広げている。
「あの、宇都木くんも出ますよね!?」
「…出ねえよ」
「え、ええ!?」
当たり前みたいに言ってんじゃねぇよ。
俺が出るわけねえだろ。
普通に考えてみろよ。
「ど、どうしてですか!」
「面倒だから」
「そ、そんな…」
そういう行事とか、皆で協力して何かする、とか。
ぶっちゃけどうでもいい。興味ない。
やりたいやつが勝手にやっとけって思う。
大神は、そういうのやりたい派なのか。