「お、大神…」

「宇佐木くん。今帰りですか?」



なんでよりによってこんなところで会うんだよ。
大神も制服姿で学校帰りらしい。

帰り道なのか?
そんなことより、買ってるところ見られてねぇよな?



「なに買ったんですか?」

「な、なんでもいいだろ」

「私、季節限定のサクラスムージーを買いに来たんです!もうすぐ期間終わっちゃうので!」



目を輝かせてそう言った。
こいつも、こういうの好きなのか…?

いや、だからってバレるわけには。
不良の目つきの悪いこの俺が甘いモノ好きだなんてばれるわけには。


「えー!売り切れ!?サクラスムージーもうないんですか?」



店の方から絶叫に近い声が聞こえてくる。
今、売り切れって…。


「あ…、売り切れてしまったみたいですね。残念です…」



シュンと肩を落とす大神。
そ、そんなに飲みたかったのか。

確かに人気あるし、期間限定って響きもいいし。