……。
誰も見てねぇな。


放課後、海老名の誘いも吹っ切って一人で駅前にやってきた。



『新発売!サクラスムージー』



今一度辺りを見渡す。
顔見知りはいねぇな。

良し。


「これ一つくれ」

「ありがとうございます。お持ち帰りですか?」

「ああ」

「350円です」



さっさと金を払い、出来上がるのを待つ。
ソワソワと落ち着かない時間を過ごし、出来上がったものを奪うように受け取った。


さっさと家まで持ち帰って早くこれを飲もう。
誰にも会う前に。
会わねぇ様に気をつけながら…。



「あ、宇佐木くん!?」



げ。