=ウサギくんとオオカミさん=



「…別に、勝手にしろ」



その上俺は、こんな返答しかできない。




「ありがとうございます」



大神の声は明るくて、俺には眩しすぎて。
なんでこんな奴が俺にってその疑問は消えなくて。



「いいねぇ。青春だねぇ」

「じじくせぇ事言ってんじゃねえよ!」



海老名は相変わらずウザったくて。
やっぱり、選択を間違えたかも。


なんて思うけど。
大神の嬉しそうな顔を見ると、そんなことも言えねぇ。



「あの、宇佐木くんの連絡先が知りたいです!」

「…あ?」



こんな必死な顔して、自分の意思を突き通すこの女は。
思った以上に手ごわいやつなのかもしれない。




「…だ、ダメでしょうか」

「べ、別に。海老名にでも勝手に聞けばいいだろ」

「はい!勝手に聞きます!」