謝る…。
謝る…?
俺があいつに?
なんて言うんだ。
なんて言ったらいいんだ。
わっかんねぇよ。
「大神さん、連れてきてやるから」
「はっ!?」
「待ってろよ!逃げんなよ!」
「誰が逃げるって…ってそうじゃなくて、おい!」
海老名は俺が呼ぶ声にも聞く耳を持たず屋上から出ていってしまう。
勘弁しろよ。
なんであんな熱くなってんだよ海老名の奴。
あいつ、あんな熱いやつじゃなかっただろ。
いつだってやる気なくてヘラヘラしてて。
周りに流されるような奴で。
ちがったのか?
俺が、知らなかっただけで。
「…くそ」
だから嫌なんだ。
誰かと関わるっつうのは面倒くさくて。
面倒なことは嫌いだ。
その点ケンカはいい。
単純で。
むかつくやつをぶっとばせばいいんだ。
余計なこと考えず、ストレスも発散できて一石二鳥。

