サラサラの長い黒髪が大神が動くたびサラッと揺れ。
長い前髪から時折見える瞳がキラキラと輝いて見える。
…楽しんでんのか。



「…一回だけだぞ」

「はい!」



楽しそうにそうやってはしゃぐもんだから。
嫌だなんて言えなくなってしまったじゃないか。



「そこにお金いれて…」

「つぅか、これ4人まで同時プレイできるんだから海老名もやればいいだろ」

「えー、俺は応援してるから」

「は?」

「だって、俺がやると勝っちゃうもん。ウサギいいとこ見せたいでしょ」

「…お前、いい加減にしろよ」



勝つの前提かよ。
別にいいところなんか見せたくねぇ。




「ほら。車選んで」

「…くそ」



選ぶもんも選び終えてゲームが始まる。
隣では、大神がテンパった声をあげながら必死で運転しているのがわかる。
それを気にしないように俺は何の遠慮もなくぶっとばしていく。