「初めて来ました…」
「そっかぁ。じゃあ、楽しまないとね」
海老名は女の扱いがうまい。
いつもニコニコっつぅかヘラヘラして女と話してる。
女にも普通以上にモテるし。
大神だって、海老名を好きになるのが普通なんじゃねぇの。
なんで俺なんだよ。
ガチャガチャした雰囲気のゲーセン。
賑やかな空気が大神に似合わないなと感じる。
大神はソワソワと落ち着きなく辺りを見渡しながらついて歩いた。
「賑やか…。あの、宇佐木くんたちはいつもどれで遊んでるんですか?」
「あ?んなのテキトーだよ。音楽系よりはレーシング系とかだけど」
「あ、ああいうのですか?」
おずおずと指を指す先を見ると、車を走らせ競争するレーシングゲーム。
「ああ、そうそう。ああいうやつとかな」
「宇佐木と大神さんやってみれば?」
「は?」
「や、やりたいです!」
大神って、見た目に寄らず結構グイグイ来るやつだな。

