服を着替え、財布とスマホをポケットに詰め込んで家を出る。
玄関の前で律儀に二人は待っていた。


「くそ…。帰ってろよ」

「残念でした~」

「あ、あの、宇佐木くん、すみません…突然」



心底申し訳なさそうな大神。
これくらい海老名も慎みを持てよ。
申し訳なく思えよ。



「で、どこ行くんだよ」

「えー、どこがいい?」

「は?決めてねぇのか」



無計画かよ。
せっかくの土曜だっつぅのに。



「おい。あんたはどっかいきてぇとこあんのか」

「えっ!わ、私は…。う、宇佐木くんとならどこでもいいです!」

「……そんな事、聞いてねぇんだよ!」

「ふ、あはははは!」




真っ赤な顔して変な事言ってんじゃねぇよ!
海老名も笑いすぎだ、馬鹿野郎。



「げ、ゲーセンでいいだろ。ゲーセン行くぞ」




調子狂う。
ほんと、なんなんだこいつ。