姉ちゃんに心配をかけたくない。
でも、もうこれまでの生き方を簡単に変えられない。


俺は姉ちゃんに救われたから。
今もまだ、俺は護られたままだから。



いつかちゃんと、姉ちゃんから離れられるように。
重荷にならねぇ様に。
早く、大人になりたい。



大人になって、自分の足で立って生きていきたい。




姉ちゃんが、姉ちゃんの幸せだけを考えられるように。
俺のために犠牲にならずに済むように。




「…俺も寝るか」




スマホの灯りを頼りに自分の部屋に入りベッドに倒れこむ。
ケンカをするな。
姉ちゃんの言葉を思い返す。


俺には無理だ。
だってもうそういう風にできている。

周りの環境も、きっとそうさせてはくれない。



俺が作ってきた環境。
…俺は、後悔してるのか。




わからない。