「凛!」

「凛くん!」



母親は、俺を突き落したことで刑務所に入った。
しばらくしたら出てくるだろうが、もう俺たちに近づかないよう父親が目を光らせると約束してくれたらしい。

別に、もうどうでもいい。
もしまた目の前に現れたとしても。

今度はもう心乱されることはない。



「おはよ」

「おはようございます!朝からちゃんと登校するなんて、偉いです!」

「大神さん、それが普通なんだよー」

「うるせぇよ。…もうさぼれねぇしな」

「出席日数ギリギリだもんな」




俺には、こうして側にいてくれる奴らがいる。
俺のありのままを認めて受け止めてくれる奴ら。



「せんぱぁぁぁい!」

「げ、うぜぇのがきた」

「虎太郎くん、おはよう」

「ほっとけ、茉侑。行くぞ」

「ちょっと、待ってくださいよー!」



こうした毎日が当たり前になっていくといい。