もっと早く話していればよかった。
ちゃんと思いを伝えて、伝えられていれば。
姉ちゃんのせいじゃないって。
俺は今幸せだって言えたのに。
「あー、頭いてぇ」
モゾモゾと布団の中に潜り込む。
暫くすると、俺は眠りに落ちていた。
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チャイムの音で目が覚めた。
何度か目を瞬いて、近くにあったスマホを手にする。
時間は夕方の5時。
だいぶ寝てしまっていたみたいだ。
だるい身体を起こして玄関に向かう。
来客の人物を確認もしないまま玄関を開いた。
「あっ!凛くん!こんにちは!」
「あ…?」
「風邪をひいたって聞いて…、それでお見舞いに来たんですけど…」
扉の向こうにいたのは茉侑で。
落ち着きのない様子でペコペコ頭を下げている。