凛くんの意識が戻ったと連絡があったのは、その次の日の学校の時間だった。
お昼休みにその連絡を確認し、海老名くんと共に病院に向かった。
急く気持ちが足をもつれさせながらも、凛くんの病室を目指す。
「凛くん…」
「凛」
勢いよく個室の戸を開く。
病室の中には、身体を起こす凛くんの姿。
「凛くん…」
涙がこみ上げそうになる。
泣くまいと思っていたはずなのに。
痛々しい包帯はそのままだけど、凛くんの綺麗な瞳が私を見る。
「…お前ら」
「よかった、凛くん…。意識戻って」
「…心配かけたな」
凛くんはそう言うと、気まずげに顔をそむけた。
表情が暗く元気がない。
あんなことがあったんだ、仕方がない。
「心配なんて、当たり前だろ。別に凛が気にすることじゃない」
「そうですよ!心配くらいさせてください」
どう言えばいいだろう。
どう言えば、凛くんを安心させてあげられるだろうか。