大神茉侑を観察してわかったことがある。
まず一つ、かなり鈍くさい。
そして、挙動不審。
いつもワタワタしていて落ち着きがない。
だからか、かなり浮いている。
そのせいか、クラスメイトと一緒にいる姿を見ない。
いつも一人だ。
「あつーい視線送ってどうしたの」
「誰がだ!」
そんな事言ってくるやつなんて一人しかいない。
視界から大神を消し、海老名を映して睨みつけた。
「気になる?大神さんの事」
「別に!」
「友だち、いるのかな?誰かと一緒にいるとこあんま見たことないんだよな」
俺の前の席に座り、気だるげに足を椅子にあげながら紙パックのジュースを飲む。
そんな姿も様になりすぎてるせいか、女の視線を集めやがってコイツは。
うっとおしい。
「挙動不審すぎるからだろ」
「まぁ、それもあるだろうねぇ」