「凛を突き落とした女の人って、この人?」



場所を変え、椅子に座って向かい合うとスマホを私たちに向けた。
そこには、確かに朝の女の人。



「確かにこの人です」

「ああ。間違い無いと思う。写真の方が少し若く見えるけど」

「そう…。写真はかなり前のものだから…」



心さんはスマホを戻すと息を一つ吐いた。




「いったい、誰なんですか?その人」



海老名くんはそう尋ねた。
心さんも、もしかしたら凛くんもその人のことを知っているってこと。

凛くんにあんなことをするような人…。




「その人は……、私と凛の母親なの。母親…なんて呼びたく無いけれど」

「え…?は、はおや…?」



母親って…。
そんな。