「へぇ、あの凛がね」



海老名くんまでしみじみとそう言う。
なんだか恥ずかしくなって真っ赤になって俯いた。



「ちゃんとした形で会いたかったわね…」

「…はい」

「今度、ちゃんと凛の口から紹介させるからね」

「…はい!」



必ず。




「話、戻してもいい?」

「はい。ごめんなさい」

「ううん。こちらこそ、ごめんね。凛を突き落した人ってどんな人だったかわかる?」

「ごめん、心さん。捕まえたかったんだけど、逃げられてしまって…。俺たち凛にばかり気が行ってしまってたから」

「それはいいの。むしろ追ってあなたたちにまで被害が行ってたらその方が辛かった」



優しくそう言われ、胸がキュッと痛くなった。
私たちは、自分たちが見た犯人の背格好や顔つきその時の様子を細かく話した。