「おめでとう!ウサギ、大神さん」

「めでたくねぇ!」




結局数学の時間は丸々サボって、そのままばっくれようかと思ったが大神が一人で戻ろうとしないので仕方なく教室に戻る。
…と、ニマニマした腹の立つ笑顔で海老名が迎えた。



「別にめでたいことなんてなってねぇ!」

「えー。二人一緒に戻ってきてめでたくないの?」

「お、お友達になりました!」

「答えなくていいんだよ!」

「えっ、あ、す、すみません!」



いちいち大神のリアクションは変だし。
海老名はああいう奴だから、絶対からかってくるだろうと思ってたが案の定だし。
くそ。
まったくもって面白くない。




「友だちか。じゃあ、俺とも友だちになってくれる?」

「も、もちろんです!よろしくお願いします!」



深々と、それはもう深々と頭を下げる律儀な奴。
いちいち、変な奴だ。