それでも姉ちゃんはそれから家を出るまで終始嬉しそうで。
ニコニコと本当に嬉しそうに家を出た。
俺の事で、そんな風に喜んでくれることはそりゃあ嬉しい。
報告してよかったんじゃないかと思えるくらいに。
でも。
結局、自分が求めていた結果は得られなかったわけで。
学校に行く途中、面倒だが陸橋を通る。
この途中で、よく海老名や大神とも合流することがある。
まぁ、俺がちゃんと朝から学校に行ってるときは、だけど。
今日は珍しく朝から行ってるから、会うかもな。
なんてことを考えながら階段を上り歩いていた。
「凛…、あなた、凛でしょう…!!!」
突然、斜め前の方から声を荒げながら突進してきた。
掴みかかるように顔を覗き込まれる。
「な、に……!?」
怪訝にその人に視線を向けその顔を見ると、ヒュン、と心臓が掴まれたような一気に、絶望に引きずり落とされたような感覚になる。

