凛は強い。
きっと凛なら、同窓会の連絡がきたとしたって、平然といかないっていえるだろう。
こんな風に直前まで憂鬱に悩んだりなんてしない。
「え、海老名くん!?」
「…え」
店の前で立ち往生していた俺に声をかけてきたのは甲高い女の子の声。
ハッとして振り向くと、ばっちり化粧のミニスカートの女の子。
なんとなく面影に見覚えがある気がする。
「私、若槻!覚えてない?」
「あ、ああ…」
名前を名乗られてなんとなく覚えてる。
ギャルグループの一人。
俺とは関わりなんて全くなかった。
「えー!海老名くんめっちゃかっこよくなってる!すごぉい!」
目を輝かせて詰め寄られる。
こういうノリは、正直苦手だ。
こんななりをしている今でも。

