俺は偽りだらけだ。




お調子者で、明るく爽やかな海老名統太。
それは、俺が創り出した偽りの姿。



“それでも!俺にとってはヒーローなんです!”



あんな風に、まっすぐ自分の想いを吐き出すことができたなら。
羨ましいと思ってしまった。



俺もあんな風に―――――。




ピロン
スマホが着信を知らせる。


“同窓会のお知らせ”



そんな文言が目に入る。
同窓会。
まったく惹かれないその言葉。



送り主は中学の同級生。
連絡先なんて交換していたのかすら記憶にない。



内容は、夏休みの一日中学3年の時の同窓会をしようというものだった。





「興味ない…」




思い出したくもないあの頃。
偽りの自分になると同時に消し去った過去。



それでも、簡単に引き戻されるあの頃の気持ち。