「そ、それに、虎太郎くんは、何も考えずに普通に話せますが、宇佐木くんとはやっぱり緊張してしまって、あのぎこちなくなってしまうんです」
顔を真っ赤に染め上げて、本音だとわかる。
うっかりその顔が染め上がる瞬間を見てしまったもんだから、心拍数が一気に上がる。
な、なんだ、これ。
「…んで、そんな」
「宇佐木くんのことが、好きだからです」
なんでこんなにも。
あの時は全く動かなかった心。
今は、どうしてこんな乱されるんだ。
あの男と話す大神を見てからおかしい。
こんなはずなかった。
「…か」
「え?」
「つ、きあうかって言ったんだ」
こんなはずじゃなかった。
いつの間にか、こんな。
「は、はい!」