次の日、サナが学校に着くと、みんなの様子がおかしかった。
皆がサナをチラチラ見て、目が合うとすぐにそらすのだ。
(みんな……どうしたんだろう?)
サナは不思議に思いながら教室の扉を開けると、何か、沢山の物がサナにぶつかってきた。
「イタ……ッ」
思わず閉じていた目を開けると、消しゴム、教科書、黒板消しなどが、サナの足元に落ちていた。
サナが、自分の状況を理解できずにあたふたしていると、美加が声を掛けてきた。2メートルほど先から。
「あら………。サナさん、大丈夫?」
心配しているような声色で言う美加。いっこうに近づこうとしない。
「あ……え、はい………。大丈、夫です……」
これはどういうことなんだろうか。必死に考えるサナ。
考えた結果、思いついた考えは1つ。
"いじめ"
でも、サナには、自分がいじめられる原因が思いつかなかった。