「……先輩、一ついいですか」
「どうしたの?」
「一番右のはどんな意味があるのか考えていたんですけど」
俺が持っている紙を指差し、そして観葉植物の一番右側を指差す律子ちゃん。
確か、一番右は数字とアルファベットで『1J2F3M……11N12D』と描かれていただけ。
「あれって一月から一二月を表しているんじゃないですか?」
「……一月から一二月?」
「はい。『1J』は『1月、JANUARY』。『2F』は『2月、FEBRUARY』って事だと思うのですけど」
自信がなさそうに俺を見つめる律子ちゃんは――
「これだけ日本語に出来ないのでどうしようかなって考えていたんですけど、ずっと見ていたらもしかしたらって思って……で、でも、違うかも知れませんしっ」
怒られた子犬みたいに瞳を震わせて何故か逃げ腰になっていた。
……ああ、そうか。
確かに律子ちゃんが言っているその法則で当てはめていけば、他の数字とアルファベットも一致する。ここに描かれていない他の月も同じ法則でいけば問題ないって事だろう。
「よく分かったね。偉いぞ、律子ちゃん」
「は、はいっ」
とりあえず一つ謎が解けたのでご褒美に頭を撫でるやると嬉しそうに微笑む律子ちゃんは、尻尾があれば間違いなく千切れんばかりに振っているだろうと思えるほどのスマイルだった。
……眩しい笑顔だ。
いや、今はそんな事はいいとして、その謎が解けたおかげでもう一つの謎が解けそうだ。
「そうか……『一年で逃亡した月』と言うのは、この盆栽の雑誌か」
妙に気になっていた盆栽の雑誌。
その雑誌の背表紙には、よく見れば何月号という表記を日本語と英語の二つでしていた。これが『一年で逃亡した月』というヒントとして、律子ちゃんが発見した読み方に結びつけるのが自然な考えだろうな。
それ以外にこの部屋で一年を表すようなものはないので、とりあえずは消去法でいかないと先に進まない。
「どうしたの?」
「一番右のはどんな意味があるのか考えていたんですけど」
俺が持っている紙を指差し、そして観葉植物の一番右側を指差す律子ちゃん。
確か、一番右は数字とアルファベットで『1J2F3M……11N12D』と描かれていただけ。
「あれって一月から一二月を表しているんじゃないですか?」
「……一月から一二月?」
「はい。『1J』は『1月、JANUARY』。『2F』は『2月、FEBRUARY』って事だと思うのですけど」
自信がなさそうに俺を見つめる律子ちゃんは――
「これだけ日本語に出来ないのでどうしようかなって考えていたんですけど、ずっと見ていたらもしかしたらって思って……で、でも、違うかも知れませんしっ」
怒られた子犬みたいに瞳を震わせて何故か逃げ腰になっていた。
……ああ、そうか。
確かに律子ちゃんが言っているその法則で当てはめていけば、他の数字とアルファベットも一致する。ここに描かれていない他の月も同じ法則でいけば問題ないって事だろう。
「よく分かったね。偉いぞ、律子ちゃん」
「は、はいっ」
とりあえず一つ謎が解けたのでご褒美に頭を撫でるやると嬉しそうに微笑む律子ちゃんは、尻尾があれば間違いなく千切れんばかりに振っているだろうと思えるほどのスマイルだった。
……眩しい笑顔だ。
いや、今はそんな事はいいとして、その謎が解けたおかげでもう一つの謎が解けそうだ。
「そうか……『一年で逃亡した月』と言うのは、この盆栽の雑誌か」
妙に気になっていた盆栽の雑誌。
その雑誌の背表紙には、よく見れば何月号という表記を日本語と英語の二つでしていた。これが『一年で逃亡した月』というヒントとして、律子ちゃんが発見した読み方に結びつけるのが自然な考えだろうな。
それ以外にこの部屋で一年を表すようなものはないので、とりあえずは消去法でいかないと先に進まない。


