「なっ、なんで分かったの、ともちゃん――はっ」
そんな声が聞こえ、すぐに可憐な悲鳴が木霊する部室内。そして、繰り広げられる愛憎巡るサスペンス。
惨劇が渦巻く屋敷の中で家政婦が見た一つの愛と涙……おっと、俺が思考の世界で暴走してどうする。まあ、遠からず似たような光景(結構グロいので口頭での説明は勘弁)が目の前に広がってますので、静かに胸の前で手を合わせよう。
……部長、分かりますって。
だって気絶してなかったですし、女の子が近寄れば本能がエロモード全開になるがあなたの真骨頂ではありませんか。この一年ちょっとの付き合いでカーテンにしみ込んだ焼肉の匂いみたいに骨身にしみてますから。
「ご臨終です……南無」
静かに手を合わせる俺の隣で同じように手を合わせてお焼香を食べようとする一人の女性……って。
「何をしているですか、ママッキーさん」
「ん? 何って様子を見に来た野次馬さね」
軽く俺に手を上げて無表情にテーブルの上にある箱を引き寄せるママッキーさん。
白衣を着てボサボサの纏まりのない髪。そして瓶底眼鏡を指で直し、やる気のない声は正しくママッキーさんであるが、ついにマッドサイエンティストの風貌になっている。
行き着くところまで行ってしまったなって感じもするが、この人が着るとこれほど似合う服装はないと思う。と、言うか久しぶりにその姿を見た気がするな。
「ところでトモキン」
「……その呼び方は止めてくれと何度も言ったはずですが」
トモキンの『O』が『A』になったら、ただの猥褻物ではないですか。
「気にしない、気にしない。これ、よく出来るだろ?」
まったく俺の話を聞いてないママッキーさんは律子ちゃんが動かしているラジコンを指差し、誇らしげに俺を見つめていた。
その顔は誉め称えよって感じに見えたが、ここで素直に誉めると調子に乗るし、話が長くなりそうなのでどうしたらいいのだろうか。
「これはラジコンの上に……あっ、ラジコンと言ってもこのラジコンは私が作った特注品で最高時速は八〇キロで、車載カメラとGPS、あと最新鋭の技術を――」
どうやら俺の悩んでいる間に話が始まってしまったようだ。
そんな声が聞こえ、すぐに可憐な悲鳴が木霊する部室内。そして、繰り広げられる愛憎巡るサスペンス。
惨劇が渦巻く屋敷の中で家政婦が見た一つの愛と涙……おっと、俺が思考の世界で暴走してどうする。まあ、遠からず似たような光景(結構グロいので口頭での説明は勘弁)が目の前に広がってますので、静かに胸の前で手を合わせよう。
……部長、分かりますって。
だって気絶してなかったですし、女の子が近寄れば本能がエロモード全開になるがあなたの真骨頂ではありませんか。この一年ちょっとの付き合いでカーテンにしみ込んだ焼肉の匂いみたいに骨身にしみてますから。
「ご臨終です……南無」
静かに手を合わせる俺の隣で同じように手を合わせてお焼香を食べようとする一人の女性……って。
「何をしているですか、ママッキーさん」
「ん? 何って様子を見に来た野次馬さね」
軽く俺に手を上げて無表情にテーブルの上にある箱を引き寄せるママッキーさん。
白衣を着てボサボサの纏まりのない髪。そして瓶底眼鏡を指で直し、やる気のない声は正しくママッキーさんであるが、ついにマッドサイエンティストの風貌になっている。
行き着くところまで行ってしまったなって感じもするが、この人が着るとこれほど似合う服装はないと思う。と、言うか久しぶりにその姿を見た気がするな。
「ところでトモキン」
「……その呼び方は止めてくれと何度も言ったはずですが」
トモキンの『O』が『A』になったら、ただの猥褻物ではないですか。
「気にしない、気にしない。これ、よく出来るだろ?」
まったく俺の話を聞いてないママッキーさんは律子ちゃんが動かしているラジコンを指差し、誇らしげに俺を見つめていた。
その顔は誉め称えよって感じに見えたが、ここで素直に誉めると調子に乗るし、話が長くなりそうなのでどうしたらいいのだろうか。
「これはラジコンの上に……あっ、ラジコンと言ってもこのラジコンは私が作った特注品で最高時速は八〇キロで、車載カメラとGPS、あと最新鋭の技術を――」
どうやら俺の悩んでいる間に話が始まってしまったようだ。


