「今日はライトグリーンの水玉だな、智樹」
「話を振ってくるのはください」
俺の顔を見て下を指差して「智樹もやるか?」と、悪魔のような事を言っている和音さんに驚いて一直線に壁際まで逃げていった律子ちゃん。
……素早い判断だな。
和音さん相手に悩んでいては意味がない。即時判断が命を分けるとも言われているのだ。
そっと親指を立てて『懸命な判断だよ』と目で労いを送ったら嬉しそうに目を細めている律子ちゃんは『ありがとうございます、先輩』と返してきた。
周りには分からないだろうが、いつも一緒にいる俺達にはこの人が暴走すると大変なのは嫌というほど分かっているので大げさな事ではないのだ。
「ちっ……Tバックにして遊ぼうと思ったのに」
残念そうに指を動かして持ち上げるような仕草をしている和音さんは、俺の方を振り返って拗ねた子供のように頬を膨らませていた。
「そんな事はいいですから、変な事はしないでください。それから面倒な事を起こそうとしないでください」
「いいじゃん、別に。それより、三馬鹿――じゃなかった、三人娘。これが本当の妹だって言うのを見せてやろう」
この先の展開が微妙に読めるのはどうしてでしょうかね……はあ。
「え? あ、ちょ――さ、桜井先輩っ」
「いいか、よく見ろ! これが天然妹キャラの律子二世だっ」
壁際まで逃げていた律子ちゃんの首を掴み(本当に首を掴むから恐いんだよね)、猫の如く持ち上げて三人組の前に突き出した和音さんは得意そうに笑みを浮かべていた。
……二世って何?
この突拍子もない展開についていけずに三人組は呆けた顔をしていたが、律子ちゃんは半べそ状態で俺に助けを求めていた。
「話を振ってくるのはください」
俺の顔を見て下を指差して「智樹もやるか?」と、悪魔のような事を言っている和音さんに驚いて一直線に壁際まで逃げていった律子ちゃん。
……素早い判断だな。
和音さん相手に悩んでいては意味がない。即時判断が命を分けるとも言われているのだ。
そっと親指を立てて『懸命な判断だよ』と目で労いを送ったら嬉しそうに目を細めている律子ちゃんは『ありがとうございます、先輩』と返してきた。
周りには分からないだろうが、いつも一緒にいる俺達にはこの人が暴走すると大変なのは嫌というほど分かっているので大げさな事ではないのだ。
「ちっ……Tバックにして遊ぼうと思ったのに」
残念そうに指を動かして持ち上げるような仕草をしている和音さんは、俺の方を振り返って拗ねた子供のように頬を膨らませていた。
「そんな事はいいですから、変な事はしないでください。それから面倒な事を起こそうとしないでください」
「いいじゃん、別に。それより、三馬鹿――じゃなかった、三人娘。これが本当の妹だって言うのを見せてやろう」
この先の展開が微妙に読めるのはどうしてでしょうかね……はあ。
「え? あ、ちょ――さ、桜井先輩っ」
「いいか、よく見ろ! これが天然妹キャラの律子二世だっ」
壁際まで逃げていた律子ちゃんの首を掴み(本当に首を掴むから恐いんだよね)、猫の如く持ち上げて三人組の前に突き出した和音さんは得意そうに笑みを浮かべていた。
……二世って何?
この突拍子もない展開についていけずに三人組は呆けた顔をしていたが、律子ちゃんは半べそ状態で俺に助けを求めていた。


