見事に丸見えのパンツをどうするべきか考えたが、それよりも面白い事を思いついたので試してみよう。

「あらら……本当に食べちゃうわよ。り、つ、こ、ちゃん」
「きゃああっ、ごめんなさいです! 私は食べてもおいしくないですっ、まずいです、ベリーベリーまずいですっ」

 俺は律子ちゃんの耳元で妖しく囁いてみた。

 このとき、限りなく欲望を声に乗せて、情欲を誘うように囁けるのかが肝なのだが……ちょっとした禁断の世界を覗かせてあげようと思ったけど、律子ちゃんには少し早かったようだ。

 俺にお尻を向けて怯えきったうさぎのように身体を丸めてしまった。無論、スカートは捲れて更に丸見えになっているのだが、これは本人の名誉のために黙っておこう。

「冗談だから本気にしないの。それより、中へ入るわよ」

 俺は律子ちゃんの頭を一度撫でて、更衣室の中へと入っていった。


 中は誰もいないので静かなものだった。

「……うむ」

 とりあえず女子更衣室など滅多に……いや、普通は入る事などないので新鮮である。壁に人気アイドルグループのポスターが貼ってあったり、カーテンがカラフルだったりする以外は中の構造は男子更衣室とまったく変わりのはないのだが、ちょっとだけ空気が違うような気がする。


 ……あっちは汗臭いからな。


 男臭い更衣室を思い出し、ちょっと眉間にシワが寄ってしまったが女子更衣室の匂いというのは何とも甘酸っぱいものだ。

 おっと、こんなところで匂いを嗅いでいたらただの変態だな、こりゃ。

「おーいっ、ともちゃん。僕を無視しないで……ねえ、僕が見えるでしょ? ほら、ほら」
「……幻聴が聞こえてくるわ。どうやら熱でもあるみたいね」
「違うって! 僕だよーっ」

 幻聴が聞こえるなんて、俺もかなり疲れているようだな。