「でも、探すって言ってもこの学園の生徒数をご存知でしょう?」
「心配しなくても大丈夫。この部室に入ってくる生徒なんてほとんどいないだろ」
「確かにそうですけど……」
「だからこの部室に入って泥棒をしていくのは部員である私達と、この部室にいつも出入りしている連中……それ以外には考えられないんだよっ」
力がこもった演説風の語りを聞きながら確かにそうかも頷いていた。
この電脳革命クラブに近づいてくる生徒はほとんどいない。部長は顔がよくてモテるのに放課後になると誰にも相手にされないのか、この部室まで追い駆けて来る女子生徒はいない事に今更ながらに気付いた。まあ、それは和音さんも同じ事で昼間は女子生徒や男子生徒に揉みくちゃにされているのに、放課後になるとこの通りの人になるから誰も近寄ってこないのかも知れない。
「つまり、カレーパンを盗んでいったのはこの部室に出入りしている人物だと言いたいわけですね?」
「そう。私がちょっと部室を空けた隙をついて誰かが侵入してカレーパンを盗んでいったんだよ。それも一番楽しみにしていた激辛ハバネルネルカレーパンをっ」
悔しそうに片膝を付いた和音さんは小刻みに肩を震わせて泣いているようにも見えたが、次の瞬間立ち上がったかと思いきや――
「そこでだ、智美! これから潜入調査を行なうのでこれに着替えろっ」
テーブルの上に女子の制服を投げてきた。
俺は観念してとりあえず制服を手に取って固まった。それは女子の制服と色だけは似ていたが、まったくの別物だった。
「…………和音さん、これは」
「メイド服だ。それを着てカレーパン嗜好会へ潜入調査へ行って来て」
まったく言っている意味が分かりませんが?
「そんな不思議そうな顔をするな、智美。大丈夫、智美なら絶対に似合うから」
いや、そこは心配はしてませんし、着るつもりもありません。
「心配しなくても大丈夫。この部室に入ってくる生徒なんてほとんどいないだろ」
「確かにそうですけど……」
「だからこの部室に入って泥棒をしていくのは部員である私達と、この部室にいつも出入りしている連中……それ以外には考えられないんだよっ」
力がこもった演説風の語りを聞きながら確かにそうかも頷いていた。
この電脳革命クラブに近づいてくる生徒はほとんどいない。部長は顔がよくてモテるのに放課後になると誰にも相手にされないのか、この部室まで追い駆けて来る女子生徒はいない事に今更ながらに気付いた。まあ、それは和音さんも同じ事で昼間は女子生徒や男子生徒に揉みくちゃにされているのに、放課後になるとこの通りの人になるから誰も近寄ってこないのかも知れない。
「つまり、カレーパンを盗んでいったのはこの部室に出入りしている人物だと言いたいわけですね?」
「そう。私がちょっと部室を空けた隙をついて誰かが侵入してカレーパンを盗んでいったんだよ。それも一番楽しみにしていた激辛ハバネルネルカレーパンをっ」
悔しそうに片膝を付いた和音さんは小刻みに肩を震わせて泣いているようにも見えたが、次の瞬間立ち上がったかと思いきや――
「そこでだ、智美! これから潜入調査を行なうのでこれに着替えろっ」
テーブルの上に女子の制服を投げてきた。
俺は観念してとりあえず制服を手に取って固まった。それは女子の制服と色だけは似ていたが、まったくの別物だった。
「…………和音さん、これは」
「メイド服だ。それを着てカレーパン嗜好会へ潜入調査へ行って来て」
まったく言っている意味が分かりませんが?
「そんな不思議そうな顔をするな、智美。大丈夫、智美なら絶対に似合うから」
いや、そこは心配はしてませんし、着るつもりもありません。


