「ママッキーさんによく似てますけど、本当に違うんですか?」
「私はこんなに小さくないぞ。それに胸も平らではなく、それなりに立派さね」

 それについては言及は避けます。

「……何とか言えよ、タマ」
「タマって何ですか、タマって」
「ふっ……気にするな、タマ。人間、知らない方がいい事もあるんだから」

 意味が分からないし、俺は猫ではない。

 しかし、見れば見るほどママッキーさんにそっくりな女の子がテレビ画面に映っているのだが――
「あっ……この子です」
 驚いたように目を丸くしてテレビ画面を指差していた。

「ちなみにこの白いワンピースを着た女の子は画像解析の結果、九〇パーセントの確率で生きている人間ではないと結論が出た」

 事もなげに話をするママッキーさんを見つめて震えだした律子ちゃん。俺はテレビ画面を見ながら頭の隅を色々なものが駆け巡っていたが、この映像は封印する事にしようと思った。

 それは新たなる騒動の幕開けを示すに違いない映像だと直感したからだ。