「そうなんですか?」
「ああっ……海藤も二年前の事は覚えているだろ?」
俺の質問を適当にあしらい、部長の方を真っ直ぐに見つめて言葉を待っている和音さん。珍しく表情を曇らせる部長は小さく「ああ、覚えている」とだけ告げて椅子に座った。
「もう二年も経つんだな。そうだよね……僕達が三年になってるんだしね」
二人の様子から口を挟む事が出来ない俺はコハルに部室を出るように目配せをした。すぐに意味を分かってくれた様子のコハルは立ち上がると俺のうしろを通って部室を出て行き、俺もそのあとを追って出た。
何ともシリアスな空気に背中には変な汗がいっぱいである。
「はあ……なんか疲れた」
「あの人達も真剣な顔が出来たんだね。それにしても似合わない人達だね」
隣で大きく息を吸い込んで深呼吸をしているコハルと同じように俺も息を吸って吐き出す。しかし、シリアスが裸足で逃げ出すほど似合わない部長があんな顔をするとは思わなかった。
「さて、どうしようか」
「そうね。ところで律子はどこに行ったの?」
「分からない。あの子は暴走するとコハル以上に奇怪な行動をとるからな」
「……失礼ね」
俺をジト目で睨むコハルは「私のは計画的よ」と否定する場所が違っていた。奇怪な行動は否定しないんだと思いつつ、廊下を右へ左へ見渡しても律子ちゃんの姿はなかった。
「探しに行くかな。ほっといても心配だし」
「ふーん……やっぱりトモ兄ちゃんは律子が気になるんだ」
「変な言い方は止めなさい。それよりもコハルはどうする?」
「一緒に行く。トモ兄ちゃん一人だと律子の身体が心配だしね」
俺はそんな節操なしではないし、律子ちゃん相手にそんな事は……しないはずだ。
「ああっ……海藤も二年前の事は覚えているだろ?」
俺の質問を適当にあしらい、部長の方を真っ直ぐに見つめて言葉を待っている和音さん。珍しく表情を曇らせる部長は小さく「ああ、覚えている」とだけ告げて椅子に座った。
「もう二年も経つんだな。そうだよね……僕達が三年になってるんだしね」
二人の様子から口を挟む事が出来ない俺はコハルに部室を出るように目配せをした。すぐに意味を分かってくれた様子のコハルは立ち上がると俺のうしろを通って部室を出て行き、俺もそのあとを追って出た。
何ともシリアスな空気に背中には変な汗がいっぱいである。
「はあ……なんか疲れた」
「あの人達も真剣な顔が出来たんだね。それにしても似合わない人達だね」
隣で大きく息を吸い込んで深呼吸をしているコハルと同じように俺も息を吸って吐き出す。しかし、シリアスが裸足で逃げ出すほど似合わない部長があんな顔をするとは思わなかった。
「さて、どうしようか」
「そうね。ところで律子はどこに行ったの?」
「分からない。あの子は暴走するとコハル以上に奇怪な行動をとるからな」
「……失礼ね」
俺をジト目で睨むコハルは「私のは計画的よ」と否定する場所が違っていた。奇怪な行動は否定しないんだと思いつつ、廊下を右へ左へ見渡しても律子ちゃんの姿はなかった。
「探しに行くかな。ほっといても心配だし」
「ふーん……やっぱりトモ兄ちゃんは律子が気になるんだ」
「変な言い方は止めなさい。それよりもコハルはどうする?」
「一緒に行く。トモ兄ちゃん一人だと律子の身体が心配だしね」
俺はそんな節操なしではないし、律子ちゃん相手にそんな事は……しないはずだ。


