部長は副生徒会長の誘いに乗って俺達に睡眠薬を持ったお茶を飲ませたのだ。
あのとき、副生徒会長が持ってきた小包に何が入っているのかを知っていたと言う事になり、その結果何が起こるのかは十分に分かっていたはずなのに俺達を見捨てて楽しく馬鹿娘とディナーを食べていた。
それだけでも許されないのに俺達を助けようともしないで笑っていたと言うのだから万死に値する行為である。
「あ、あの……そこまでしなくていいじゃないですか?」
「甘い! 律子は砂糖十杯入れた珈琲くらい甘いっ」
基準が分かりませんが確かに甘いですね。
飲み干したら底に溜まっていた砂糖の洗礼を受けるし、喉越しが最悪で想像しただけで胸焼けがしてきた。
「律子だって部屋に閉じ込められて大変だったんだろ? そんな甘い事を言っていてはこの戦争は勝てないぞっ」
「は、はいっ」
テーブルを力任せに叩き、声を荒げる和音さんに背筋を伸ばして返事をしている律子ちゃんは涙目になっていた。いつから戦争になったのだろうかと思うが、和音さんはヒートアップして言葉を捲くし立てていく。
「トモ兄ちゃん……」
「いつもの事だから気にしない。それよりも今度からこんな事はするんじゃないぞ」
「わ、分かってるよ。でも……その」
頬を少し染めて俺を見るコハルが何を言いたいのかは先ほどから分かっているつもりだ。しかし、それに関しては以前断っているので今更どうこうしようという気はない。
「分かっているならいいよ。いい子にしていたら、そのうち遊びに連れて行ってあげるから」
「や、約束だよ、トモ兄ちゃんっ」
驚いたように目を見開いて身体を乗り出してきたコハルは俺の手を掴んで「約束破ったら拷問ね」と、かなり物騒な事を言っていた。
さすがに俺の従妹だなと思ったが、護身術を会得しているコハルに勝つのは中々難しいだろう。
だって俺は普通の一般市民だし、運動は面倒だからほとんどしない。だが、身体のキレは普通の人よりは色々と鍛えられている(主にこの部室で部長相手だけど)。
あのとき、副生徒会長が持ってきた小包に何が入っているのかを知っていたと言う事になり、その結果何が起こるのかは十分に分かっていたはずなのに俺達を見捨てて楽しく馬鹿娘とディナーを食べていた。
それだけでも許されないのに俺達を助けようともしないで笑っていたと言うのだから万死に値する行為である。
「あ、あの……そこまでしなくていいじゃないですか?」
「甘い! 律子は砂糖十杯入れた珈琲くらい甘いっ」
基準が分かりませんが確かに甘いですね。
飲み干したら底に溜まっていた砂糖の洗礼を受けるし、喉越しが最悪で想像しただけで胸焼けがしてきた。
「律子だって部屋に閉じ込められて大変だったんだろ? そんな甘い事を言っていてはこの戦争は勝てないぞっ」
「は、はいっ」
テーブルを力任せに叩き、声を荒げる和音さんに背筋を伸ばして返事をしている律子ちゃんは涙目になっていた。いつから戦争になったのだろうかと思うが、和音さんはヒートアップして言葉を捲くし立てていく。
「トモ兄ちゃん……」
「いつもの事だから気にしない。それよりも今度からこんな事はするんじゃないぞ」
「わ、分かってるよ。でも……その」
頬を少し染めて俺を見るコハルが何を言いたいのかは先ほどから分かっているつもりだ。しかし、それに関しては以前断っているので今更どうこうしようという気はない。
「分かっているならいいよ。いい子にしていたら、そのうち遊びに連れて行ってあげるから」
「や、約束だよ、トモ兄ちゃんっ」
驚いたように目を見開いて身体を乗り出してきたコハルは俺の手を掴んで「約束破ったら拷問ね」と、かなり物騒な事を言っていた。
さすがに俺の従妹だなと思ったが、護身術を会得しているコハルに勝つのは中々難しいだろう。
だって俺は普通の一般市民だし、運動は面倒だからほとんどしない。だが、身体のキレは普通の人よりは色々と鍛えられている(主にこの部室で部長相手だけど)。


