ママッキーさんは実験や発明が出来れば相手が誰であれ手を貸すとんでもない人だからな。話を聞いていくと、あの観葉植物にはとんでもない仕掛けがあったらしく、入れ替える事で床に配置されていた重量センサーが感知し、黒電話に電波が飛ぶ仕組みになっていたと言う。

 植物自体は水を中で循環させているが、これは植物に微弱の電気を流して電波を発着信するアンテナの代わりをさせる国家事業みたいな実験をしていたわけだ。まあ、あれだけの大規模な実験施設を与えられたのだから、ママッキーさんは喜んでやったに違いない。

「で、全てが副生徒会長のわがままだったわけですね」
「だな。まったく迷惑な話だ」

 俺と和音さんが見下ろす先には俺達を見上げる副生徒会長が――
「んーっ、んぐぐっ、ふーっ」
 何かを言っているがまったく言葉になってなかった。

「相変わらず、手加減って言葉を知らないな……智樹は」
「先ほども言いましたけど、女性でも手加減はしません。我が家の家訓です……ね、コハル」

 呆れた顔で副生徒会長を見る和音さんの横で首を縦に振って青ざめているコハル。

「……なるほど。すでに経験済み、か」
「…………はい」

 和音さんに青ざめていた顔を一瞬赤く染めて頷くコハル。

 勘違いされるから変な態度はとらないようにしてもらいたいね。子供の頃にちょっと悪戯をしたコハルを軒下に「てるてる坊主」と言って吊るしただけの話なのだから。

 今の副生徒会長はてるてる坊主の一歩手前で床にロープで縛られて寝転んでいた。この前(更衣室の一件)、部長を緊縛していたロープらしく、「これで僕を縛って」と渡されたのを使ったのだが俺には縛りの才能もあったらしい。

「まあ、こいつはこのまま外に吊るすとして、こっちはどうする?」
「そうですね。俺達を売ったわけですからそれなりの制裁を受けてもらわないと」

 同じように床で仲良くロープに縛られている変態緊縛部長を見下ろし、ため息とも何ともとれない息を吐く。