「ちょっと聞いてんの、華子! さっさと答えなっ」
「あー、もう! 答えてやるわよ。ブツブツうるさいわね、この文句ババアっ」
「誰がババアだって! この馬鹿っ」
「ば……馬鹿じゃないわよ!」
あっちもヒートアップしてるけど、完全に子供の喧嘩になってるし。
「だけど……梅津律子、クラスメイトの好(よしみ)で特別に『コハル』って呼ぶ事を認めてあげる。ただし、これからは私達はライバルよ……『好敵手』と書いて『ライバル』よ! いいわねっ」
「は、はいっ」
こっちはなんだか分からないけど『永遠の好敵手(ライバル)宣言』をされて戸惑っているし。
「……僕達は帰ろうか?」
「そうですね。で……部長は人間ですか? それとも、地球外生命体ですか?」
そして、気付けば俺の隣には部長がいた。
「人間だよ、ともちゃん。そうそう、荷物があるから付いておいで――こっちだよ、ハニー。あっ、はははーっ」
顔をベッタリと真っ赤に染めて平気そうにスキップされても信憑性はゼロですよ、部長。
……疲れたな。
未だに言い争いを続ける二組(ほぼ一方的だけど)を横目に、俺は荷物を取りに部長のあとを付いていった。