「おう」

門に寄りかかるようにして立っていた龍ちゃんは
高校3年生にしては低い身長。

金色の髪も受験生だからと黒く染めたため
幼さにより拍車をかけている。

ぐるぐる巻きにしたマフラーから覗く、
寒さで染まる赤い頬。
カッコつけたい龍ちゃんにカワイイと言ったら怒るから心に留めておく。

「つーか倫子なんて格好してんだよ!風邪ひくぞ!」

そう言って龍ちゃんのマフラーをぐるぐる巻きにしてくる。

自分だってマフラーだけなのに。
走ってきたからあちぃんだよ。って。
こういうところがほんとズルい。

マフラーは、龍ちゃんの匂いがした。