三年生が抜けて
緑山高校は
ピッチャーがいなくなったが
去年からピッチャーをやりたい
といっていた
佐藤がピッチャーを
任されることになり
今、ブルペンで
ピッチングをしている

それを遠くから
マネージャーの先輩
紗耶とこっそり
見ている

紗耶はキャッチャーの
南と付き合っていて
監督も公認だ

紗「彩ちゃんさ、ホントに佐藤がいいの?」

糸のほつれたボールを縫いながら
彩にたずねた

彩は佐藤に恋をしている

彩「はい!!!佐藤先輩がいいですっ」

彩もまたボールを縫いながら答える

紗耶「それって身長が高いから?」

彩は165センチで
佐藤は185センチ
二人とも高めだが
並べば彩は佐藤を
見上げる形になる

彩「それもありますけど…
なんか佐藤先輩じゃなきゃ嫌なんですよ」

彩はまわりの部員たちを眺めながらいった

紗耶「なんかそれ、わかるかもしんない」

紗耶もまた部員達を眺める

紗耶「でもさあ渡部君はどうするの?
彩ちゃんのこと大好きじゃん」

彩「渡部は同じクラスで仲が良いだけですよっ
友達です!!!」

渡部と彩は同じクラスで
野球部の中では一番仲が良い

渡部は彩のことが好きだが
冗談だと思われていて
全く相手にされていない

紗耶「でも渡部君結構かわいい顔してるから
二年の女子にも人気だよ?
彩ちゃんとお似合いだと思うなあ」

ニヤニヤしながら
紗耶は彩をからかう

彩「もぅ!!!
紗耶先輩までやめてくださいよ」

彩はもう一度
佐藤を見つめる

彩「私は佐藤先輩が良いんです」

そういって見つめる彩の頬は
ほんのりピンク色だ