彩「……へ?」

彩はびっくりして
変な声を出してしまった

彩『は…恥ずかしい…』

恥ずかしくて俯いていると

佐「だから…乗ってく?」

佐藤は荷台を指しながら言う

彩は少し戸惑ったが

「じゃあ…お願いします」

185センチの佐藤を
おずおずと見上げながら
彩はお願いした

佐「じゃあ乗って」

佐藤は肩からかけていた
野球部のエナメルバックを
籠に入れ彩が荷台に
座れるようにした

「おねがいしまあす…」

彩も野球部のかばんがあるため
横向に座った

佐「ん。
  …ちゃんと捕まっててな?
  服掴んでていいから」

佐藤は彩の手をとり
自分の制服のほうに
持って行った

彩「あっ…はい」

彩の心臓は佐藤のおかげで
バクバク言っている

佐「…嫌だったら言ってな?
  俺、彰と違って
  こういうのわかんねうから」

佐藤は彩が不快に
思ったと勘違いしたようだ

彩「えっ?
  嫌じゃないですよ!!!
  ちゃんと捕まってますね」

彩はこちらを向いている
佐藤に恥ずかしいながらも
にっこりと笑った

その姿に安心したのか
佐藤も頬を緩ませた

佐「じゃあいこっか」
彩「はいっ」


学校に着く間は
少ししゃべっては
沈黙があり
また少ししゃべっては
沈黙と言ったことを
繰り返しながら
学校へ向かった

佐藤から知らされたが
今日紗耶は風邪気味なため
病院に行くらしく
部活は休むらしい

紗耶は休むときは
連絡をくれるので
携帯を見ると
メールが入っていた

彩は紗耶にメールを送っておいた