「咲椿 虹恋さん、咲椿 虹恋さん」

次は、虹恋かぁ。

「行ってきまーす♪」

こそっと呟いた。

少したのしそうな声だったのは、

私の気のせいかな?

まぁ、きっちり、80だしてくる

と思うけどね?

私は…シールド張らないとね。

虹恋のシェルが漏れたとき

倒れちゃうからね。みんな。

……シールド……

誰にも、気付かれない程度に

張っておいた。

……バリ

微かな音だけど

シールドにヒビが入った音がした。

うーん。さすがだね。

結構強めに張ったんだけどな〜。

ちょっと弱かったみたい。

ヒビが入ったところから

シェルが漏れているから、

低い人は、少ししんどそう。

強いひとは、なんともないんだけどね。

直で受けたら、

私くらいしか、耐えてられない。

ふわっと

圧力が消えたから、

測定終わったからかな?

「ただいま〜」

あ、帰ってきた。

「おかえり、シールド張ったけど、
ヒビ入ったよ」

「あー本当?ありがとう、忘れてたの。
結果は、79。羽愛は80にしてね。」

忘れてたと舌を出して謝った。

でも、

なんで、私を上にするんだろ?

同類でも、いいのにね。

「なんで?」

「え……

「櫻 羽愛さん。櫻 羽愛さん」

虹恋が何か言おうとしてたけど

呼ばれちゃったから

行かなきゃ。

「行ってくる」

「うん!いってらっしゃい」

虹恋に見送られて、測定室に入った。