「お前、死の間際まで追い込まれたのだろ?」

「だったら、何なんです!?

それがどうかしましたか!?」

「何故、許せる?」



許す?

誰がそんなこと言った?



「許すんじゃないです、切り捨てたんです

それに、姉様には感謝しています

姉様が私をあそこまで追い詰めてくれたから

出会えたものがたくさんありました」



だから、ありがとうございますと言えば

姉様の目から涙が零れ落ちた

姉様は意を決したように口を開く



「愛桜、謝って許してもらうつもりはない。

けど、1つだけ言わせて。

私は、後継者になりたくてあんなことをしたわけじゃないのよ」



記憶を取り戻した姉様は言った

ただ、愛されたかったのだと