〈奈央side〉
入学してから1ヶ月、つぐみと玲香と共にテニス部に入った私たちは部活へと向かう。
「つぐみも玲香も上達するの早いよね。私なんか、まだ全然打てないし…。」

すると玲香は、
「まぁ、私のとつぐみは中学生の時、ソフテニやってたからね。」
と教えてくれた。つぐみもうんうんとうなずく。

『1年! なにやってるの、早く着替えなさい』
先輩の声でようやく私たちが最後だと気付き、
「「「すみません、すぐ行きます!」」」
と言い急いで準備する。

練習中、つぐみや玲香、先輩たちの打ち方を見て真似してみるがなかなか上手くいかない。それでも、上手くなりたい一心で必死にボールを追う。

部活終了後、帰る準備をしていると、玲香が
「あれ、予備のタオルがない。入れたつもりなんだけどな。教室に置いてきたのかな…。」
と言う。

「最近無くなる事、多いよね。まぁ、今日は本当に置いてきただけかも知れないけど。奈央、ちょっと玲香と先行って見てくるね! 玄関で待ってるー」
と早々と着替えを済ました2人は教室へと戻る。2人を見送った私は、残りの着替えを済ませ、部室を後にする。すると