〈奈央side〉
中学卒業後、父の転勤に伴って家族で引っ越す事になった私はとても憂鬱な気分だった。

仲の良かった友達と別れ、高校という未知の世界に1人で入るなんて思ってた無かったからだ。

私はお世辞にも明る性格とは言えないし、勉強が得意という訳でも無いから。

入学式当日、
『私たち同じクラスだよ~』『部活も同じ所に入ろうね!』

周りの人を横目で見ながら私は1人でクラスを確認する。

1組………無い 2組………ここも無い 3組………“結城奈央”
「あ、あっ「ちょっと邪魔、見えないんだけど。」
「ちょっと玲香、人を突き飛ばすのはよくないよ。ごめんね、痛くなかった?」

「だ、だいじょ…「つぐみ!私たち同じクラスだよ。3組だって!」
これが私、玲香、つぐみの最初の出会いだった。