うん、すっごく美人だ……!
綺麗すぎる。
美しい。
こりゃウワサになるわ。
斉藤くんとお似合いだ。
さすがにいま、斉藤くんに声をかけることは私にはできない。
身の程はわきまえてる。
いまの私は少女マンガでいうと同じ学校に通う生徒、そして背景。
「紗柚」
低く甘い声が聞こえ立ち止まってから振り返る。
「倉橋くん!
おはよう!!」
「おはよ。
一緒に行こ」
私の隣に並んで優しく微笑む。
あぁ、癒される。
いま、私は倉橋くんとのストーリーでヒロイン的位置……ってだめだ。
斉藤くんに言われてたんだった。
元々私の思考回路は妄想するようにできてるから、難しいなぁ。