思いだしたように声を出して、斉藤くんの肩に手を置き真っ直ぐに目を見る。
「やっぱり勉強はできたほうがかっこいいと思うから、そこのとこよろしくね」
「はぁ?」
「理想を叶えてよ」
「ほんとお前ってやつは……」
なぜか盛大なため息をつかれてしまい、顔と体は離れた。
残念と思いつつも、これ以上は本当に心臓が壊れてしまいそうだったから良かった。
そのあと一緒に勉強したら、なんと斉藤くんは私より賢いことが判明。
あんな順位だったのは、寝坊して1教科しか受けてないかららしい。
なんだ、ばかじゃなくてお寝坊さんなだけか。
恥ずかしいから隠してたみたいだけど、そんなおちゃめな斉藤くんに私はきゅんとしてしまった。