《安積紗柚さん
いつも元気で明るくてクラスの中心にいる安積さん。
誰にでも優しくて笑顔がとても素敵で、そんなあなたのことが入学式の時から好きです。
良かったら僕と付き合ってください。
日下部裕也》
「くさかべゆうや……?
ってあの、メガネで前髪長いモサッとしたやつ!?」
「里ちゃん、日下部君に失礼だよ!」
「でもさ、暗くていつもひとりで本読んだりしてるあの日下部でしょ!?
なんで紗柚のこと?
確かにかわいいし元気で明るいのは認めるけど、接点が見つからない。
一目惚れ!?」
「なんで私より里ちゃんが興奮してんの?」
「だって衝撃的すぎて……」
里ちゃんは本当に驚いてるみたいで、私の両肩を掴んでいる。
そのせいで、私が驚く暇もない。
ラブレター、だよね?
もらった感動を味わいたいのにそれすらできない。
「なに騒いでんの」
「斉藤くん、おはよう」
「あ、王子!聞いて!
紗柚がラブレターもらった!」
「……は?」
「ラブレターだって!ラブレター!」