ちょうどめくった瞬間。
そのページを見ることはなく、誰かとぶつかってしりもちをついてしまった。
前を見ると、曲がり角だったみたいでそこから人が出てきたらしい。
登校中、歩きながらマンガを読んでいた私に完全に非はある。
「悪い。大丈夫か?」
それなのに優しく手を差し伸べてくれるから、神かな?
なんて思いながらその人の手を借りて立ち上がり、顔を上げて目の前の人物を見る。
「ありがとうござ……おぉ!?」
「え、なに」
びっくりして借りた手を引っ張り、顔を近づける。
不審そうな瞳で見てくるのは、めちゃくちゃイケメン。
もうまさに、マンガの世界から飛び出してきたようなイケメン。
絶対に後ろにはキラキラのトーン、もしくはバラが描かれて登場するイケメン。
そう、とりあえず超絶イケメン。
高校生になって1週間と少し。
これは……。