里ちゃんに軽い感じで見送られ、教室を出る。
もしかしたらお弁当を食べるタイミングをまた失ってしまうかもしれないと思って、すでに早弁済み。
自称、同じ失敗は繰り返さないタイプなので。
お腹も満たされた状態で、別棟に移動する。
……って空き教室ってどこだろう?
別棟ってほぼ移動教室専用の、教室でできない授業をするときに使う場所。
言っちゃえば、ほぼ空き教室。
空き教室だけじゃ伝わらないよ。
そう思いながら、適当な教室に入ると……いた。
「え、愛の力?」
「は?」
窓の縁に軽く腰掛け、外を眺めていた斉藤くんが怪訝そうな顔で私を見てくる。
だって、一発で教室当てるとかすごくない?
どこかわかんないって思ってたのに。
杞憂だったな。
愛の力は偉大だ。