そうお願いする前に、斉藤くんの私に回した手の力が強くなった。
「好きだ、紗柚」
やばい。
本当に?
斉藤くんが私のことを?
ドキドキして止まらなくて、斉藤くんの顔が見たくて肩を押す。
「……顔が見たい、です」
「だめ」
「お願い」
「まだこのまま」
そんなこと言われたらもうなにも言えない。
バクバクする心臓を感じながら、斉藤くんの背中に手を回した。
こんなに気持ちが浮き沈みするのは、斉藤くんに対してだけかもしれない。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…