なにその素早さ。
なにが起こったの?
てか誰が来たの!?
「……です」
「そんなこと言わないで少しくらい……」
……うそ?
浴衣だから動きにくいけど、できる全力で私も玄関に行く。
そこには微かに聞こえた声でわかってたけど、まさかの斉藤くんがいた。
「なんで斉藤くんが?」
「迎えに来てくれたんでしょ!
感謝しなさいよ!!」
「推理!
するに、お母さんか紗耶……いやふたりともが斉藤くんに会いたくて連絡しただけでしょ?」
私と斉藤くんが一緒に花火大会に行くから、迎えに来てくれたらお母さんも紗耶も斉藤くんに会うことができる。
知ってるんだから。
斉藤くんが家に来てくれたときに、連絡先を聞いてたこと。
そしてその日からずっと連絡とってること。
私でさえ連絡とってないのに!