そのあと、なんとかしてヒロインの元へ駆け寄って誤解を解こうとするも、ヒロインは気にしてない素振りを見せてふたりはすれ違ってしまう……!
いいねいいね。
そこまで妄想を膨らませてから、斉藤くんに向かって親指を立てた。
「いや、なにがだよ!」
「ほぇ!?」
「どうゆう状況だよ。
グッドじゃねぇからな」
「ヒッチハイクでもないよ?」
「知ってるわ!」
「それよりも、いまは周りの子も無下にできない優しいヒーローになってるのに!」
「はぁ!?」
なんで普通に女の子を押しのけて来ちゃうかなぁ?
肩がぶつかった子がその部分を手で押さえて熱っぽい視線を向けてるし。
……はっ!
そっか、そうだった。
「俺様わがままなのに、周りにはなぜかきゅんを与えてしまう超王道ヒーローか!」
「お前やっぱり頭おかしいだろ」
そこで頭をコツンとグーで小突かれた。
本日2回目だ。
「レパートリー少ないね」
「ばかにしたか?」